書名選択

五月

  • 1
    • メーデー
    • 消費者月間
  • 2
    • このころ八十八夜
  • 3
    • 憲法記念日・憲法週間
    • 博多どんたく
  • 4
    • みどりの日
  • 5
    • こどもの日
    • 端午の節句、児童福祉週間
  • 立夏
  • 8
    • 世界赤十字デー
    • 上旬-大相撲五月場所
  • 10
    • 愛鳥週間
    • このころ母の日
    • (第二日曜日)
  • 12
    • 看護の日
  • 14
    • 出雲大社大祭礼
  • 15
    • 沖縄復帰記念日
    • このころ神田祭
    • 葵祭
  • 18
    • このころ浅草三社祭
    • (第三金・土・日曜日)
  • 20
    • 東京港開港記念日
  • 小満
  • 21
    • 家内労働旬間
  • 31
    • 世界禁煙デー・禁煙週間

六月

  • 1
    • 衣替え、電波の日
    • 気象記念日、写真の日
    • 暑中見舞葉書売り出し
    • 水道週間
    • 環境月間
    • 男女雇用機会均等月間
  • 3
    • 測量の日
  • 4
    • 虫歯予防デー・
    • 歯の衛生週間
  • 芒種
  • 5
    • 世界環境デー
  • 10
    • 時の記念日
  • 11
    • このころ入梅
    • このころ父の日
    • (第三日曜日)
  • 夏至
  • 23
    • オリンピック-デー
    • 沖縄慰霊の日
  • 26
    • 国連憲章調印記念日
  • 28
    • 貿易記念日
  • 30
    • 大はらえ

七月

  • 1
    • 山開き、海開き
    • 国民安全の日・
    • 全国安全週間
    • 河川愛護月間
  • 2
    • このころ半夏至
  • 6
    • 入谷あさがお市
  • 7
    • 七夕、星まつり
  • 小暑
  • 9
    • 浅草ほおずき市
  • 10
    • 四万六千日
    • 上旬-大相撲七月場所
  • 15
    • 盆、盂蘭盆会、施餓鬼
    • 精霊流し、中元
  • 16
    • 精霊送り、送り火
    • 薮入り
    • このころ海の日
    • (第三月曜日)
  • 17
    • 祇園祭山鉾(やまぼこ)巡業
  • 20
    • このころ土用入り
  • 21
    • 自然に親しむ運動
  • 大暑
  • 23
    • 相馬野馬追(そうまのまおい)
  • 25
    • 天満天神まつり
    • 下旬-隅田川花火大会

八月

  • 1
    • 弘前ねぷた祭
    • 水の日・水の週間
    • 観光週間
  • 2
    • 青森ねぶた祭
  • 3
    • 秋田竿灯まつり
    • このころ食品衛生週間
  • 6
    • 広島原爆の日
    • 仙台七夕まつり
  • 7
    • 鼻の日
    • 上旬-全国高校野球選手権大会
  • 立秋
挿絵:夏1

夏の季語

時候

  • 暑さ
  • 卯月(うづき)
  • 夏至
  • 五月
  • 極暑
  • 皐月(さつき)
  • 七月
  • 初夏
  • 凉し
  • 盛夏
  • 梅雨(つゆ)
  • 梅雨明
  • 土用
  • 入梅(にゅうばい)
  • 薄暑(はくしょ)
  • 晩夏(ばんか)
  • 半夏生(はんげしょう)
  • 短夜(みじかよ)
  • 水無月(みなづき)
  • 麦の秋
  • 夜の秋
  • 立夏
  • 六月

天文

  • 青嵐(あおあらし)
  • 朝曇(あさぐもり)
  • 卯の花腐し(うのはなくたし)
  • 雲海
  • 炎天
  • 風薫る
  • 片陰
  • 喜雨
  • 雲の峰
  • 黒南風(くろはえ)
  • 御来迎(ごらいごう)
  • 五月晴(さつきば)
  • 五月闇(さつきやみ)
  • 五月雨(さみだれ)
  • 白南風
  • (にじ)
  • 西日
  • 日盛り
  • (ひでり)
  • (ひょう)
  • 夕立
  • 夕凪(ゆうなぎ)
  • 夕焼け

地理

  • 青田
  • 赤潮
  • 植田
  • お花畑
  • (したた)
  • 清水(しみず)
  • 代田(しろた)
  • 雪渓
  • 出水(でみず)
  • 土用浪
  • 夏野(なつの)
  • 日焼田(ひやけだ)

人事

  • アイスクリーム
  • 葵祭(あおいまつり)
  • 青簾(あおすだれ)
  • 汗疹(あせも)
  • 海女(あま)
  • 雨乞い
  • 甘酒(あまざけ)
  • 洗膾(あらい)
  • (あわせ)
  • 安居
  • 鵜飼(うかい)
  • 打ち水
  • 団扇(うちわ)
  • 梅酒
  • 梅干し
  • 漆掻(うるしか)
  • 円座(えんざ)
  • (おうぎ)
  • 起こし絵
  • 泳ぎ
  • 海水着
  • 柏餅
  • 形代
  • 帷子
  • 髪洗ふ
  • 鴨川踊
  • 蚊帳
  • 蚊遣火
  • 川開き
  • 祇園祭(ぎおんまつり)
  • 帰省
  • キャンプ
  • 胡瓜(きゅうり)もみ
  • 行水
  • 金魚売り
  • 金魚玉
  • 草刈り
  • 草取り
  • 草笛
  • 草矢(くさや)
  • 薬玉(くすだま)
  • 葛餅(くずもち)
  • 競馬
  • 夏書(げがき)
  • 鯉幟
  • 香水
  • 氷水(こおりみず)
  • 更衣
  • サイダー
  • 早乙女(さおとめ)
  • 早苗饗(さなぶり)
  • 晒布(さらし)
  • 上布(じょうふ)
  • 菖蒲湯(しょうぶゆ)
  • 暑気中り
  • 暑気払い
  • 白玉(しらたま)
  • 代掻(しろか)
  • 新茶
  • 甚平
  • 水中花(すいちゅうか)
  • 水飯(すいはん)
  • 水盤(すいばん)
  • 納涼(すずみ)
  • セル
  • 扇風機
  • ソーダ(すい)
  • 外寝(そとね)
  • 田植え
  • (たかむしろ)
  • 滝殿
  • 端午(たんご)
  • 竹夫人(ちくふじん)
  • ()の輪
  • (ちまき)
  • 釣忍(つりしのぶ)
  • 釣堀(りつぼり)
  • 天瓜粉(てんかふん)
  • 藤椅子(とういす)
  • 心太(ところてん)
  • 登山
  • 泥鰌鍋(どじょうなべ)
  • 苗売
  • 夏帯
  • 夏衣
  • 夏座敷
  • 夏芝居
  • 夏足袋
  • 夏手袋
  • 夏暖簾
  • 夏羽織
  • 夏袴
  • 夏場所
  • 夏服
  • 夏布団
  • 夏帽子
  • 夏館
  • 夏休み
  • 夏痩せ
  • 日射病
  • 寝冷え
  • (のぼり)
  • 蝿叩き
  • 蝿帳
  • 箱庭(はこにわ)
  • 端居(はしい)
  • 芭蕉布(ばしょうふ)
  • (はだか)
  • 跣足(はだし)
  • 腹当(はらあて)
  • ハンカチーフ
  • ハンモック
  • ビール
  • 日傘(ひがさ)
  • 避暑(ひしょ)
  • 単衣(ひとえ)
  • 日向水(ひなたみず)
  • 氷室(ひむろ)
  • ビヤガーデン
  • 日焼け
  • 冷酒
  • 冷素麵(ひやそうめん)
  • 冷麦
  • 冷奴(ひややっこ)
  • 日除け
  • 昼寝(ひるね)
  • 風鈴(ふうりん)
  • プール
  • 吹き流し
  • 船遊び
  • 風炉(ふろ)
  • 噴水
  • 鬼灯市(ほおずきいち)
  • ボート
  • 蛍狩(ほたるがり)
  • 祭り
  • 水遊び
  • 水着
  • 水狂言
  • 水喧嘩(みずげんか)
  • 水鉄砲
  • 水番
  • 水虫
  • 水羊羹(みずようかん)
  • 蜜豆(みつまめ)
  • 麦狩り
  • 麦扱(むぎこ)
  • 麦茶
  • 麦笛
  • 麦飯(むぎめし)
  • 虫篝(むしかがり)
  • 虫干し
  • 武者人形
  • 矢車(やぐるま)
  • 魚簗(やな)
  • 山開き
  • 誘蛾灯(ゆうがとう)
  • 夕涼み
  • 川床(ゆか)
  • 浴衣(ゆかた)
  • 葭簀(よしず)
  • 夜濯(よすす)
  • 夜涼み
  • ヨット
  • 夜釣り
  • 夜店
  • ラムネ
  • 林間学校
  • 冷蔵庫
  • 露台(ろだい)

動物

  • 青鷺(あおさぎ)
  • 穴子(あなご)
  • 油虫
  • 雨蛙(あまがえる)
  • あめんぼ
  • (あゆ)
  • (あり)
  • 蟻地獄(ありじごく)
  • 岩魚(いわな)
  • 浮巣(うきす)
  • 空蝉(うつせみ)
  • (うなぎ)
  • 海酸漿(うみほおずき)
  • ()
  • ががんぼ
  • 河鹿(かじか)
  • 蝸牛(かたつむり)
  • (かつお)
  • (かに)
  • 兜虫
  • 翡翠(かわせみ)
  • 川蜻蛉(かわとんぼ)
  • (きす)
  • 金魚
  • 水鶏(くいな)
  • 蜘蛛(くも)
  • 蜘蛛の巣(くものす)
  • 海月(くらげ)
  • 黒鯛(くろだい)
  • 蚰蜒(げじげじ)
  • 毛虫(けむし)
  • 螻蛄(けら)
  • 源五郎(げんごろう)
  • 蝙蝠(こうもり)
  • 金亀子(こがねむし)
  • (こち)
  • (さば)
  • 紙魚(しみ)
  • 蝦蛄(しゃこ)
  • (せみ)
  • 田亀(たがめ)
  • 筒鳥(つつどり)
  • 天道虫(てんとうむし)
  • 蜥蜴(とかげ)
  • 飛魚(とびうお)
  • 夏蚕(なつご)
  • (なまず)
  • 蛞蝓(なめくじ)
  • 濁り鮒
  • 根切虫(ねきりむし)
  • (のみ)
  • 羽蟻(はあり)
  • (はえ)
  • 初鰹(はつがつお)
  • (はも)
  • (ばん)
  • (ひきがえる)
  • (ひる)
  • 袋角(ふくろづの)
  • 仏法僧(ぶっぽうそう)
  • (ぶと)
  • 船虫(ふなむし)
  • (へび)
  • べら
  • ぼうふら
  • (ほたる)
  • 時鳥(ほととぎす)
  • まいまい
  • 松蝉(まつせみ)
  • (まむし)
  • (まゆ)
  • 道おしえ
  • 蚯蚓(みみず)
  • 百足(むかで)
  • 目高(めだか)
  • 山女(やまめ)
  • 守宮(やもり)
  • 葦切(よしきり)
  • 雷鳥(らいちょう)

植物

  • 青桐(あおぎり)
  • 青葉
  • (あかざ)
  • 紫陽花(あじさい)
  • アマリリス
  • 荒布(あらめ)
  • (あんず)
  • ()
  • 虎杖(いたどり)の花
  • (いちご)
  • 一八(いちはつ)
  • 浮萍(うきくさ)
  • ()の花
  • (うり)
  • 蝦夷菊(えぞぎく)
  • 金雀児(エニシダ)
  • 豌豆(えんどう)
  • 花魁草(おいらんそう)
  • 大山蓮華(おおやまれんげ)
  • 含羞草(おじぎそう)
  • 杜若(かきつばた)
  • 酢漿草(かたばみ)
  • 岩菲(がんぴ)
  • 木苺(きいちご)
  • 擬宝珠(ぎぼうし)
  • 胡瓜(きゅうり)
  • 夾竹桃(きょうちくとう)
  • 麒麟草(きりんそう)
  • 金魚藻(きんぎょも)
  • 草いきれ
  • 孔雀草(くじゃくそう)
  • 山梔子(くちなし)の花
  • グラジオラス
  • 栗の花
  • 罌粟(けし)の花
  • 芥子坊主(けしぼうず)
  • 河骨(こうほね)
  • 木下闇(こしたやみ)
  • 小判草(こばんそう)
  • 鷺草(さぎそう)
  • さくらんぼ
  • 杜鵑花(さつき)
  • 早苗(さなえ)
  • 仙人掌(サボテン)
  • 百日紅(さるすべり)
  • サルビア
  • (しげり)
  • 紫蘇(しそ)
  • 著莪(しゃが)
  • 芍薬(しゃくやく)
  • 沙羅の花
  • 十薬(じゅうやく)
  • 棕櫚(しゅろ)の花
  • 菖蒲(しょうぶ)
  • 除虫菊(じょちゅうぎく)
  • 紫蘭(しらん)
  • 新藷(しんいも)
  • 新樹(しんじゅ)
  • 新緑(しんりょく)
  • 忍þÞ(すいかずら)の花
  • 睡蓮(すいれん)
  • 鈴蘭(すずらん)
  • (すもも)
  • 石菖(せきしょう)
  • 石竹(せきちく)
  • 千日紅(せんにちこう)
  • 蘇鉄の花
  • 蚕豆(そらまめ)
  • 泰山木の花
  • 竹落葉
  • (たけのこ)
  • (たで)
  • 玉葱(たまねぎ)
  • ダリア
  • 月見草(つきみそう)
  • 釣鐘草(つりがねそう)
  • 鉄線(てっせん)
  • 玉蜀黍(とうもろこし)の花
  • トマト
  • 虎の尾
  • 茄子(なす)
  • 夏菊(なつぎく)
  • 夏草(なつくさ)
  • 夏木立(なつこだち)
  • 夏大根
  • 夏萩(なつはぎ)
  • 夏蜜柑(なつみかん)
  • (ぬなわ)
  • 鋸草(のこぎりそう)
  • 蝿取草
  • 葉桜
  • 芭蕉の花
  • 蓮の浮葉
  • 花菖蒲(はなしょうぶ)
  • 花橘(はなたちばな)
  • 帚木(ははきぎ)
  • 浜豌豆(はまえんどう)
  • 浜昼顔
  • 浜木綿(はまゆう)
  • 薔薇(ばら)
  • 射干(ひおうぎ)
  • 雛罌粟(ひなげし)
  • 向日葵(ひまわり)
  • 百日草
  • 未央柳(びょうやなぎ)
  • 昼顔
  • 蛭蓆(ひるむしろ)
  • 枇杷(びわ)
  • 風蘭(ふうらん)
  • (ふき)
  • 太藺(ふとい)
  • 海蘿(ふのり)
  • 糸瓜の花
  • 蛇苺(へびいちご)
  • 鬼灯(ほおずき)の花
  • (ほお)の花
  • 牡丹(ぼたん)
  • 布袋草(ほていそう)
  • 真桑瓜(まくわうり)
  • 真菰(まこも)
  • 木天蓼(またたび)
  • 松葉牡丹(まつばぼたん)
  • 実梅(みうめ)
  • 水葵(みずあおい)
  • 都草(みやこぐさ)
  • (むぎ)
  • メロン
  • (もも)の花
  • 木斛(もっこく)の花
  • 藻の花
  • 灸花(やいとばな)
  • 楊梅(やまもも)
  • 夕顔(ゆうがお)
  • 雪の下(ゆきのした)
  • 山桜梅(ゆすらうめ)
  • 百合(ゆり)
  • 余花(よか)
  • 辣韮(らつきよう)
  • 緑蔭(りょくいん)
  • 縷紅草(るこうそう)
  • 若楓(わかかえで)
  • 若竹(わかたけ)
  • 若葉(わかば)
  • 病葉(わくらば)
挿絵:夏2

夏の名句

  • 目には青葉山ほとゝぎすはつ鰹 山口素堂
  • 岐阜にて
  • おもしろうてやがてかなしき鵜舟かな 松尾芭蕉
  • うき我をさびしがらせよかんこ鳥
  • 五月雨のふり残してや光堂
  • 五月雨をあつめて早し最上川
  • 立石寺
  • しづかさや岩にしみいる蟬の声
  • 夏草や(つはもの)共がゆめの跡
  • 湖の水まさりけり五月雨 向井去来
  • 夕ずゞみよくぞ男に生れける 宝井其角
  • ほり上てあやめ葺けり草の庵 炭太祇
  • さみだれや大河を前に家二軒 与謝蕪村
  • おろし置笈に地震ふるなつ野かな
  • 牡丹散てうちかさなりぬ二三片
  • 物いはぬ夫婦なりけり田草取 大島蓼太
  • 賀茂衆の御所に紛るゝ祭かな 黒柳召波
  • 蝙蝠や月の辺を立ちさらず 加藤暁台
  • 五月雨の猶も降べき小雨かな 高井几董
  • 正直に梅雨雷の一つかな 小林一茶
  • 念力のゆるめば死ぬる大暑かな 村上鬼城
  • 絶えず人いこふ夏野の石一つ 正岡子規
  • 梅干にすでに日陰や一むしろ 河東碧梧桐
  • 金亀子擲つ闇の深さかな 高浜虚子
  • 神にませばまこと美はし那智の滝
  • 白牡丹といふといへども(こう)ほのか
  • 谺して山ほととぎすほしいまゝ 杉田久女
  • ハンモック海山遠く釣りにけり 山口青邨
  • 朴の咲く淵にこだます機屋かな 水原秋桜子
  • 朝顔の双葉のどこか濡れゐたる 高野素十
  • 滝の上に水現れて落ちにけり 後藤夜半
  • 河骨の金鈴ふるふ流れかな 川端茅舎
  • ガソリンと街に描く灯や夜半の夏 中村汀女
  • 鉢巻が日本の帽子麦熟れたり 西東三鬼
  • 紫は水に映らず花菖蒲 高浜年尾
  • 万緑の中や吾子の歯生え初むる 中村草田男
  • 匙なめて童たのしも夏氷 山口誓子
  • 美しき緑走れり夏料理 星野立子
  • 罌粟咲けばまぬがれがたく病みにけり 松本たかし
  • 西日中電車のどこか摑みて居り 石田波郷

夏の言葉

夏はよる。
月の頃はさらなり、やみもなほ、
ほたるの多く飛びちがひたる。また、ただひとつふたつなど、
ほのかにうちひかりて行くもをかし。
雨など降るもをかし。枕草子・第一段

遠山にかゝる白雲は、散にし花のかたみなり。
青葉に見ゆる梢には、春の名残ぞおしまるゝ。
比は卯月廿日あまりの事なれば、
夏草のしげみが末を分いらせ給ふに、
はじめたる御幸なれば、御覧じなれたるかたもなし。
人跡たえたる程もおぼしめししられて哀れなり。平家物語・灌頂

五月、あやめふく比、早苗とるころ、
水鶏(くひな)のたゝくなど、心ぼそからぬかは。
六月の比、あやしき家に夕顔の白く見えて、
蚊遣火ふすぶるもあはれなり。
六月祓またをかし。徒然草・第十九段

夏の星座

六月の星座

挿絵:6月の星座

雨の季節、束の間の晴間に眺める星座は少しずつ夏の姿に移り始めている。うしかい座の東には、ギリシャの英雄を表すヘルクレス座に引き続いて、こと座、はくちょう座の夏の星座が昇る。さそり座は南東の空にあり、さそりの腹に位置する一等星アンタレスが意外な高さに赤く光る。北の空では逆立ちしたおおぐま座が北極星から伸び上がるこぐま座を慈しむように眺める位置にある。

おとめ座

穀物の取り入れをつかさどる女神ペルセフォネの姿。純白に輝く一等星スピカはラテン語で「穂先」の意味。日本では真珠星などと呼んでいた。

七月の星座

挿絵:7月の星座

七月は新暦の七夕。雨あがりの凪いだように湿った空に見上げる星々は、またたきも少なく落ち着いている。夜も更ければ、夏の天の川も高く昇り、頭上よりやや東を北から南に流れる。都会の灯火を離れた土地では、入り組んだ天の川の光の帯が雲のようにも見える。梅雨があければ、織女星(ベガ、こと座)、牽牛星(アルタイル、わし座)、デネブ(はくちょう座)のつくる夏の大三角が見事である。

こと座

楽人オルフェウスは妻エウリディケの死後、悲しみのあまり琴を奏でていたがやがて死に、「琴」だけは天上にあげられ星座になったという。

八月の星座

挿絵:8月の星座

黄道に沿って並ぶ星座(黄道十二宮)の一つであるいて座はにぎやかな星座だが、一等星がないためかあまり馴染みがない。さそり座の東に、ひしゃくを伏せたような形の南斗六星が目印である。このいて座に近くの天の川の中に私達の銀河系の中心がある。立秋を過ぎてもまだ暑さは続くが、下旬の午後八時頃には、秋の星座の代表であるペガスス座とアンドロメダ座が東の空に姿を現す。

さそり座

女神アルテミスを犯そうとしたオリオンは、女神の放った大さそりに刺し殺されたという。赤く輝く一等星アンタレスはさそりの心臓にたとえられる。