秋は夕暮。
夕日のさして山のはいとちかうなりたるに、
からすのねどころへ行くとて、
みつよつ、ふたつみつなどとびいそぐさへあはれなり。
まいて雁などのつらねたるが、
いとちひさくみゆるはいとをかし。
日入りはてて、風の音むしのねなど、
はたいふべきにあらず。
やう〱夜寒になるほど、
雁なきてくるころ、
萩の下葉色づくほど、
早稲田刈り干すなど、
とりあつめたる事は秋のみぞ多かる。
また、野分の朝こそをかしけれ。
言ひつづくれば、みな源氏物語・枕草子
などにことふりにたれど、
同じ事、また、今さらに言はじとにもあらず。
ペガスス座とアンドロメダ座に加え、夜半前にはペルセウス座も昇り、星空はすっかり秋の気配となる。ペガススの四辺形の東側の辺を南に同じ長さに延ばしたあたりに春分点がある。春分点は太陽の通り道である黄道と天の赤道との交点の一つで、天体の位置を記すための基準点となっている。北斗七星は北西に低く、かわってカシオペヤ座が北極星をさがすのに都合のいい位置にくる。
羊飼いの神パンが神々と酒盛りをしていた時、怪物に襲われ、川に逃げて化けたが、川につかった部分は魚、他はやぎのままで、その不格好を神々が喜んで星座にしたという。
カシオペヤ座からペルセウス座、ぎょしゃ座の辺りは、秋の天の川が最もにぎやかな所で、双眼鏡を使えばたくさんの散開星団が見つかる。一方、アンドロメダ座には四等星程の淡い光を放つ星雲(メシェ31)がある。この星雲は私たちの銀河系と同じ一千億個以上の星の集まりで、二三〇万年前の光が今ようやく地球に届いている。南の空にやや低く一等星のフォールマルハウト(南のうお座)が光る。
大神ゼウスはトロイの王子ガニュメデスを神々の山へさらった。このとき王子が持っていたのが水瓶。王子の両親の悲しむ姿を見たゼウスは、彼の姿を星座にした。
さざんかが咲き始める頃、冬の星座の代表オリオン座が姿を見せる。勇者オリオンの腰帯にあたる三つ星が左右に二つの一等星(ペテルギウスとリゲル)を従えて真東より昇るので、方角の目標ともなる。南の空にはくじら座のほかに目立つ星座はない。くじら座の変光星ミラは、約十一か月の周期で収縮を繰り返して二等星から十等星まで明るさを変える不思議な星として有名である。
勇士ペルセウスは髪の毛が蛇という女性メドゥーサに近づき、磨いた盾にその姿を映し、首を落とした。その流れ出た血の海から天馬ペガサスが飛び出し星座となった。