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万葉集
古典の世界1
万葉集
特別ページ目次へ
季節と言葉
1春
2夏
3秋
4冬
言葉の世界1
1対義語
2類義語
3敬語
4擬声語・擬態語
5接頭語・接尾語
6助数詞
7外来語
言葉の世界2
1言葉の由来
2親族語彙・身体語彙
3手紙の言葉
4気象・天文の言葉
5名数
6いろはガルタ・いろは歌
7枕詞
日本語の世界
1漢字
2漢字音・漢語
3平仮名
4片仮名
5日本語の音
6方言(一)
7方言(二)
古典の世界
1万葉集
2源氏物語
3平家物語
4古今集・新古今集
5小倉百人一首
6能
7俳諧
8歌舞伎
空・日・月・星
雲・雨・雪・霧・風
山・岡
野
海
川・池
鳥・獣・虫・魚
木・草・花
人
空・日・月・星
わたつみの
豊旗雲
(
とよはたくも
)
に入日さし
今夜
(
こよひ
)
の
月夜
(
つくよ
)
さやけかりこそ
巻
一
1
・中大兄皇子
東
(
ひむがし
)
の野にかぎろひの立つ見えてかへり見すれば月かたぶきぬ
巻
一
1
・柿本人麻呂
去年
(
こぞ
)
見てし秋の月夜は照らせども相見し妹はいや年
放
(
さか
)
る
巻
二
2
・柿本人麻呂
夕闇は道たづたづし月待ちていませ我が
背子
(
せこ
)
その間にも見む
巻
四
4
・大宅女
振り
放
(
さ
)
けて三日月見れば一目見し人の
眉引
(
まよび
)
き思ほゆるかも
巻
六
6
・大伴家持
天
(
あめ
)
の海に雲の波立ち月の舟星の林に漕ぎ隠る見ゆ
巻
七
7
・柿本人麻呂歌集
彦星し
嬬
(
つま
)
迎へ船漕ぎ
出
(
づ
)
らし天河原に霧の立てるは
巻
八
8
・山上億良
君が行く道の
長手
(
ながて
)
を
繰
(
く
)
り
畳
(
たた
)
ね焼き滅ぼさむ
天
(
あめ
)
の火もがも
巻
一五
15
・狭野弟上娘子
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雲・雨・雪・霧・風
采女
(
うねめ
)
の袖吹きかへす明日香風
京
(
みやこ
)
を遠みいたづらに吹く
巻
一
1
・志貴皇子
秋の田の穂の上にきらふ朝霞いつへの方に我が恋やまむ
巻
二
2
・磐姫皇后
我が里に大雪降れり大原の古りにし里に降らまくは
後
(
のち
)
巻
二
2
・天武天皇
我が岡の
龗
(
おかみ
)
に言ひて降らしめし雪の
摧
(
くだ
)
けしそこに散りけむ
巻
二
2
・藤原夫人
大君は神にしませば
天雲
(
あまくも
)
の
雷
(
いかづち
)
の上に
廬
(
いほ
)
りせるかも
巻
三
3
・柿本人麻呂
滝の上の
三船
(
みふね
)
の山に
居
(
ゐ
)
る雲の常にあらむと我が思はなくに
巻
三
3
・弓削皇子
苦しくも降り来る雨か三輪の
崎
(
さき
)
狭野
(
さの
)
の渡りに家もあらなくに
巻
三
3
・長奥麻呂
君待つと
我
(
あ
)
が恋ひ居れば我がやどの簾動かし秋の風吹く
巻
四
4
・額田王
あしひきの
山川
(
やまがは
)
の瀬の鳴るなへに
弓月
(
ゆつき
)
が岳に雲立ち渡る
巻
七
7
・柿本人麻呂歌集
秋津野
(
あきづの
)
に朝居る雲の失せ行けば昨日も今日もなき人思ほゆ
巻
七
7
・作者未詳
ひさかたの
天
(
あめ
)
の香具山この
夕
(
ゆふへ
)
霞たなびく春立つらしも
巻
一〇
10
・柿本人麻呂歌集
君が行く
海辺
(
うみへ
)
の宿に霧立たば
我
(
あ
)
が立ち嘆く息と知りませ
巻
一五
15
・遣新羅使人等
新
(
あたら
)
しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ
吉事
(
よごと
)
巻
二〇
20
・大伴家持
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山・岡
籠
(
こ
)
もよみ
籠
(
こ
)
持ちふくしもよみぶくし持ちこの岡に菜摘ます児家のらせ名
告
(
の
)
らさね
巻
一
1
・雄略天皇
高山
(
かぐやま
)
は
畝傍
(
うねび
)
ををしと耳梨と相争ひき神代よりかくにあるらし
巻
一
1
・中大兄皇子
三輪山を
然
(
しか
)
も隠すか雲だにも心あらなも隠さふべしや
巻
一
1
・額田王
春過ぎて夏来たるらし白たへの衣乾したり天の香具山
巻
一
1
・持統天皇
二人行けど行き過ぎかたき秋山をいかにか君がひとり越ゆらむ
巻
二
2
・大伯皇女
石見
(
いはみ
)
のや
高角山
(
たかつのやま
)
の
木
(
こ
)
の間より我が振る袖を妹見つらむか
巻
二
2
・柿本人麻呂
うつそみの人なる我や明日よりは
二上山
(
ふたがみやま
)
を
弟
(
いろせ
)
と
我
(
あ
)
が見む
巻
二
2
・大伯皇女
朝日照る佐田の岡辺に群れ居つつ我が泣く涙やむ時もなし
巻
二
2
・日並皇子舎人
降る雪はあはにな降りそ
吉隠
(
よなばり
)
の
猪養
(
ゐかひ
)
の岡の寒からまくに
巻
二
2
・穂積皇子
弥彦
(
いやひこ
)
おのれ神さび青雲のたなびく日すら小雨そほ降る
巻
一六
16
・越中国歌
鶏
(
とり
)
が鳴く
東
(
あづま
)
の国の
陸奥
(
みちのく
)
の小田なる山に
金
(
くがね
)
ありと申したまへれ御心を明らめたまひ
巻
一八
18
・大伴家持
日な曇り
碓氷
(
うすひ
)
の坂を越えしだに妹が恋ひしく忘らえぬかも
巻
二〇
20
・他田部子磐前
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野
たまきはる宇智の大野に馬並めて朝踏ますらむその草深野
巻
一
1
・中皇命
あかねさす紫野行き
標野
(
しめの
)
行き
野守
(
のもり
)
は見ずや君が袖振る
巻
一
1
・額田王
安騎
(
あき
)
の野に宿る旅人うちなびきいも
寝
(
ぬ
)
らめやも
古
(
いにしへ
)
思ふに
巻
一
1
・柿本人麻呂
引馬野
(
ひくまの
)
ににほふ
榛原
(
はりはら
)
入り乱れ衣にほはせ旅のしるしに
巻
一
1
・長奥麻呂
いづくにか我が宿りせむ高島の
勝野
(
かちの
)
の原にこの日暮れなば
巻
三
3
・高市黒人
春の野にすみれ摘みにと
来
(
こ
)
し我そ野をなつかしみ一夜寝にける
巻
八
8
・山部赤人
旅人
(
たびびと
)
の宿りせむ野に霜降らば
我
(
あ
)
が子
羽
(
は
)
ぐくめ
天
(
あめ
)
の
鶴群
(
たづむら
)
巻
九
9
・遣唐使母
我
(
あ
)
が恋はまさかもかなし草枕
多胡
(
たご
)
の
入野
(
いりの
)
の奥もかなしも
巻
一四
14
・東歌
婦負
(
めひ
)
の野のすすき押しなべ降る雪に宿借る今日し悲しく思ほゆ
巻
十七
17
・高市黒人
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海
熟田津
(
にきたつ
)
に舟乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな
巻
一
1
・額田王
いづくにか
舟泊
(
ふなは
)
てすらむ
安礼
(
あれ
)
の崎漕ぎたみ行きし棚なし
小舟
(
をぶね
)
巻
一
1
・高市黒人
近江の海夕波千鳥
汝
(
な
)
が鳴けば心もしのに
古
(
いにしへ
)
思ほゆ
巻
三
3
・柿本人麻呂
世の中を何に
喩
(
たと
)
へむ朝開き漕ぎ
去
(
い
)
にし舟の跡なきごとし
巻
三
3
・沙弥満誓
若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして
鶴
(
たづ
)
鳴き渡る
巻
六
6
・山部赤人
大海に島もあらなくに海原のたゆたふ浪に立てる白雲
巻
七
7
・作者未詳
我のみや
夜舟
(
よふね
)
は漕ぐと思へれば沖辺の
方
(
かた
)
に梶の音すなり
巻
一五
15
・遣新羅使人等
家にてもたゆたふ命波の上に思ひし
居
(
を
)
れば奥か知らずも
巻
一七
17
・大伴旅人傔従等
志雄路
(
しをぢ
)
から
直
(
ただ
)
越え来れば
羽咋
(
はくひ
)
の海朝なぎしたり舟梶もがも
巻
一七
17
・大伴家持
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川・池
河の
上
(
へ
)
のゆつ
磐群
(
いはむら
)
に草
生
(
む
)
さず常にもがもな
常処女
(
とこをとめ
)
にて
巻
一
1
・吹芡刀自
昔見し
象
(
きさ
)
の小川を今見ればいよよさやけくなりにけるかも
巻
三
3
・大伴旅人
吉野なる
夏実
(
なつみ
)
の川の川よどに鴨そ鳴くなる山影にして
巻
三
3
・湯原王
ももづたふ
磐余
(
いはれ
)
の池に鳴く鴨を今日のみ見てや雲隠りなむ
巻
三
3
・大津皇子
千鳥鳴く佐保の川瀬のさざれ波やむ時もなし
我
(
あ
)
が恋ふらくは
巻
四
4
・大伴郎女
巻向
(
まきむく
)
の
山辺
(
やまへ
)
とよみて行く水の
水沫
(
みなあわ
)
のごとし世の人我は
巻
七
7
・柿本人麻呂歌集
多摩川にさらす手作りさらさらになにそこの児のここだかなしき
巻
一四
14
・東歌
信濃
(
しなぬ
)
なる
千曲
(
ちぐま
)
の川の
小石
(
さざれし
)
も君し踏みてば玉と拾はむ
巻
一四
14
・東歌
朝床
(
あさとこ
)
に聞けば遥けし
射水川
(
いみづかは
)
朝漕ぎしつつ唱ふ舟人
巻
一九
19
・大伴家持
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鳥・獣・虫・魚
葦辺
(
あしへ
)
行く鴨の羽がひに霜降りて寒き夕は大和し思ほゆ
巻
一
1
・志貴皇子
古
(
いにしへ
)
に恋ふる鳥かもゆづるはの御井の上より鳴き渡りゆく
巻
二
2
・弓削皇子
あな
醜
(
みにく
)
賢
(
さか
)
しらをすと酒飲まぬ人をよく見ば猿にかも似る
巻
三
3
・大伴旅人
沖辺
(
おきへ
)
行き
辺
(
へ
)
に行き今や妹がため我が
漁
(
すなど
)
れる
藻伏束鮒
(
もふしつかふな
)
巻
四
4
・高安王
世の中を憂しとやさしと思へども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば
巻
五
5
・山上憶良
ぬばたまの夜のふけゆけば
久木
(
ひさぎ
)
生
(
お
)
ふる清き川原に千鳥しば鳴く
巻
六
6
・山部赤人
児らしあらば二人聞かむを沖つ
渚
(
す
)
に鳴くなる
鶴
(
たづ
)
の
暁
(
あかとき
)
の声
巻
六
6
・守部王
暁
(
あかとき
)
と夜烏鳴けどこのもりの
木末
(
こぬれ
)
が上はいまだ静けし
巻
七
7
・作者未詳
三国山
木末
(
こぬれ
)
に住まふむささびの鳥待つごとく我待ち痩せむ
巻
七
7
・作者未詳
百済野
(
くだらの
)
の萩の
古枝
(
ふるえ
)
に春待つと居りしうぐひす鳴きにけむかも
巻
八
8
・山部赤人
夕されば小倉の山に鳴く鹿は
今夜
(
こよひ
)
は鳴かず
寝
(
い
)
ねにけらしも
巻
八
8
・舒明天皇
ひぐらしは時と鳴けども恋ひしくにたわやめ
我
(
あれ
)
は定まらず泣く
巻
一〇
10
・作者未詳
こほろぎの待ち喜ぶる秋の夜を
寝
(
ぬ
)
る
験
(
しるし
)
なし枕と我は
巻
一〇
10
・作者未詳
たらつねの母が
養
(
か
)
ふ
蚕
(
こ
)
の
繭隠
(
まよごも
)
り
隠
(
こも
)
れる妹を見むよしもがも
巻
一一
11
・柿本人麻呂歌集
川の瀬の石踏み渡りぬばたまの
黒馬
(
くろま
)
の
来
(
く
)
夜は常にあらぬかも
巻
一三
13
・作者未詳
馬買はば妹
徒歩
(
かち
)
ならむよしゑやし石は踏むとも
我
(
わ
)
は二人行かむ
巻
一三
13
・作者未詳
烏とふ大をそ鳥のまさでにも来まさぬ君をころくとそ鳴く
巻
一四
14
・東歌
妹をこそ相見に来しか
眉引
(
まよびき
)
の
横山辺
(
よこやまへ
)
ろの
猪
(
しし
)
なす思へる
巻
一四
14
・東歌
石
(
いは
)
走る滝もとどろに鳴く蝉の声をし聞けば都し思ほゆ
巻
一五
15
・大石蓑麻呂
さし鍋に湯沸かせ子ども
櫟津
(
いちひつ
)
の
檜橋
(
ひはし
)
より来む狐に
浴
(
あ
)
むさむ
巻
一六
16
・長意吉麻呂
石麻呂
(
いしまろ
)
に我物申す夏痩せに良しといふものそ
鰻
(
むなぎ
)
捕り
喫
(
め
)
せ
巻
一六
16
・大伴家持
痩す痩すも生けらばあらむをはたやはた鰻を捕ると川に流るな
巻
一六
16
・大伴家持
韓国
(
からくに
)
の虎といふ神を生け捕りに
八頭
(
やつ
)
捕り持ち来その皮を畳に刺し
巻
一六
16
・乞食者
春の野に霞たなびきうら悲しこの夕影にうぐひす鳴くも
巻
一九
19
・大伴家持
うらうらに照れる
春日
(
はるひ
)
にひばり上がり心悲しもひとりし思へば
巻
一九
19
・大伴家持
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木・草・花
紫草
(
むらさき
)
のにほへる妹を憎くあらば人妻ゆゑに
我
(
あれ
)
恋ひめやも
巻
一
1
・天武天皇
巨勢山
(
こせやま
)
のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を
巻
一
1
・坂門人足
笹の葉はみ山もさやにさやげども我は妹思ふ別れ来ぬれば
巻
二・柿本人麻呂
磐代
(
いはしろ
)
の浜松が枝を引き結びま
幸
(
さき
)
くあらばまたかへりみむ
巻
二
2
・有間皇子
家
(
いへ
)
にあれば
笥
(
け
)
に盛る
飯
(
いひ
)
を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る
巻
二
2
・有間皇子
高円
(
たかまと
)
の
野辺
(
のへ
)
の秋萩いたづらに咲きか散るらむ見る人なしに
巻
二
2
・笠金村歌集
藤波の花は盛りになりにけり奈良の都を
思
(
おも
)
ほすや君
巻
三
3
・大伴四綱
あをによし奈良の都は咲く花の
薫
(
にほ
)
ふがごとく今盛りなり
巻
三
3
・小野老
我妹子
(
わぎもこ
)
が見し
鞆
(
とも
)
の浦のむろの木は
常世
(
とこよ
)
にあれど見し人そなき
巻
三
3
・大伴旅人
秋さらば見つつしのへと妹が植ゑしやどのなでしこ咲きにけるかも
巻
三
3
・大伴家持
目には見て手には取らえぬ月の内の
楓
(
かつら
)
のごとき妹をいかにせむ
巻
四
4
・湯原王
妹が見し
楝
(
あうち
)
の花は散りぬべし我が泣く涙いまだ干なくに
巻
五
5
・山上憶良
我が
園
(
その
)
に梅の花散るひさかたの
天
(
あめ
)
より雪の流れ来るかも
巻
五
5
・大伴旅人
立ちかはり古き都となりぬれば道の芝草長く生ひにけり
巻
六
6
・田辺福麻呂歌集
石走
(
いはばし
)
る
垂水
(
たるみ
)
の上のさわらびの
萌
(
も
)
え出づる春になりにけるかも
巻
八
8
・志貴皇子
かはづ鳴く神奈備川に影見えて今か咲くらむ山吹の花
巻
八
8
・厚見王
春さればまづ
三枝
(
さきくさ
)
の
幸
(
さき
)
くあらば
後
(
のち
)
にも逢はむな恋ひそ
我妹
(
わぎも
)
巻
一〇
10
・柿本人麻呂歌集
橘の
本
(
もと
)
に我が立ち
下枝
(
しづえ
)
取り成らむや君と問ひし
児
(
こ
)
らはも
巻
一一
11
・柿本人麻呂歌集
玉敷ける家も何せむ八重むぐら覆へる
小屋
(
をや
)
も妹と居りてば
巻
一一
11
・作者未詳
蓮葉
(
はちすば
)
はかくこそあるもの
意吉麻呂
(
おきまろ
)
が家なるものは
芋
(
うも
)
の葉にあらし
巻
一六
16
・長意吉麻呂
春の園紅にほふ桃の花
下照
(
したで
)
る道に出で立つ
嬬
(
をとめ
)
巻
一九
19
・大伴家持
もののふの
八十
嬬
(
やそをとめ
)
らが
汲
(
く
)
みまがふ寺井の上の
堅香子
(
かたかご
)
の花
巻
一九
19
・大伴家持
筑波嶺のさ
百合
(
ゆり
)
の花の
夜床
(
ゆとこ
)
にもかなしけ妹そ昼もかなしけ
巻
二〇
20
・大舎人部千文
池水に影さへ見えて咲きにほふあしびの花を袖に
扱入
(
こき
)
れな
巻
二〇
20
・大伴家持
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人
ますらをや片恋せむと嘆けども
鬼
(
しこ
)
のますらを尚恋ひにけり
巻
二
2
・舎人皇子
憶良
(
おくら
)
らは今は罷らむ子泣くらむそれその母も
我
(
わ
)
を待つらむそ
巻
三
3
・山上憶良
験
(
しるし
)
なきものを思はずは
一坏
(
ひとつき
)
の濁れる酒を飲むべくあるらし
巻
三
3
・大伴旅人
我が
背子
(
せこ
)
は物な思ひそ事しあらば火にも水にも我がなけなくに
巻
四
4
・安倍女郎
相思はぬ人を思ふは
大寺
(
おほてら
)
の餓鬼の
後
(
しりへ
)
に
額
(
ぬか
)
つくごとし
巻
四
4
・笠女郎
世の中は空しきものと知る時しいよよますます悲しかりけり
巻
五
5
・大伴旅人
銀
(
しろかね
)
も
金
(
くがね
)
も玉も何せむに
優
(
まさ
)
れる宝子にしかめやも
巻
五
5
・山上憶良
士
(
をのこ
)
やも空しくあるべき
万代
(
よろづよ
)
に語り継ぐべき名は立てずして
巻
六
6
・山上憶良
幸
(
さきは
)
ひのいかなる人か黒髪の白くなるまで妹が声を聞く
巻
七
7
・作者未詳
君なくはなぞ身装はむくしげなる
黄楊
(
つげ
)
の
小櫛
(
をぐし
)
も取らむとも思はず
巻
九
9
・播磨娘子
朝影に
我
(
あ
)
が身はなりぬ玉かきるほのかに見えて
去
(
い
)
にし児故に
巻
一一
11
・柿本人麻呂歌集
紫は灰さすものそ
海石榴市
(
つばきち
)
の
八十
(
やそ
)
の
衢
(
ちまた
)
に逢へる児や
誰
(
たれ
)
巻
一二
12
・作者未詳
信濃道
(
しなぬぢ
)
は今の
墾
(
はり
)
道刈りばねに足踏ましむな
沓
(
くつ
)
はけ我が背
巻
一四
14
・東歌
稲搗けばかかる
我
(
あ
)
が手を
今夜
(
こよひ
)
もか殿の
若子
(
わくご
)
が取りて嘆かむ
巻
一四
14
・東歌
防人
(
さきもり
)
に立ちし
朝明
(
あさけ
)
の
金門出
(
かなとで
)
に
手離
(
たばな
)
れ惜しみ泣きし児らはも
巻
一四
14
・防人歌
家にある
櫃
(
ひつ
)
に
鏁
(
かぎ
)
刺し
蔵
(
をさ
)
めてし恋の
奴
(
やつこ
)
のつかみかかりて
巻
一六
16
・穂積皇子
一二
(
いちに
)
の目のみにはあらず五六三四さへありけり
双六
(
すぐろく
)
の
頭
(
さえ
)
巻
一六
16
・長意吉麻呂
我が妻も絵に描き取らむ
暇
(
いつま
)
もが旅行く
我
(
あれ
)
は見つつ偲はむ
巻
二〇
20
・物部古麻呂
父母が
頭
(
かしら
)
掻き撫で
幸
(
さ
)
くあれて言ひし
言葉
(
けとば
)
ぜ忘れかねつる
巻
二〇
20
・丈部稲麻呂
韓衣
(
からころむ
)
裾に取り付き泣く子らを置きてそ
来
(
き
)
ぬや
母
(
おも
)
なしにして
巻
二〇
20
・他田舎人大島
防人
(
さきもり
)
に行くは
誰
(
た
)
が背と問う人を見るがともしさ
物思
(
ものもひ
)
もせず
巻
二〇
20
・昔年防人歌
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