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1意味がほぼ重なる類義関係

上品な語と俗な語の関係、書き言葉的なかたい感じの語と話し言葉的なくだけた語との関係、和語・漢語・外来語の関係などが含まれる。
意味がほぼ重なるものでも、語感・ニュアンスなどの主観的・情緒的な意味の面では、さまざまな違いをもつ。

  • あかんぼあかご
  • さしみつくり
  • したべろ
  • からかみふすま
  • おなかはら
  • あしたあすみょうにち
  • きめるさだめる
  • ふえるます
  • いく(行)ゆく
  • そだてるはぐくむ
  • せびるねだる
  • たべるくう
  • おおきいでかい
  • おそろしいおっかない
  • かならずきっと
  • すべてことごとく
  • わずかすこし
  • すみやかにただちにすぐに
  • さきほどさっき
  • またはあるいはもしくは
  • 写真機カメラ
  • ヘア
  • 首飾りネックレス
  • 御飯めしライス
  • しばい演劇ドラマ
  • 受け取り領収
  • はなむけ餞別
  • いけにえ犠牲
挿絵:意味がほぼ重なる類義関係

2意味の一部が重なる類義関係

「いえ」と「うち」は家屋の意味ではどちらも使えるが、身内・家庭の意味では「うち」が、家系・家柄や制度的な意味では「いえ」が使われる。「きれいだ」と「美しい」はどちらも美的感覚を表すが、清潔感には「きれいだ」を、精神的な美には「美しい」をという使い分けがある。
「聞く」は聴覚で受け取る意味を表すが、同時に質問する意味でも使われ「たずねる」と重なる。「たずねる」には訪問するの意味があり、「おとずれる」と重なる、というように連鎖的につながるものもある。

  • うしろあと
  • ちゃわんゆのみ
  • さきはしふちへり
  • はなすかたる
  • はしるかける
  • まわるめぐる
  • くだくつぶす
  • あがるのぼる
  • きくたずねるおとずれる
  • ねるねむる
  • うれしいたのしい
  • くるしいつらい
  • うるさいやかましいさわがしい
  • 準備支度用意
  • バルコニーベランダテラス
挿絵:意味の一部が重なる類義関係

3一方の語の意味を、他方の語が包み込む類義関係

「よる(夜)」は普通、日没から夜明けまでをいい、「晩」は人が寝静まる頃までをいうので、「晩」は「よる」に包みこまれてしまう。
「うまい」は「上手だ」の意味で「彼は野球がうまい」などと言い、「おいしい」の意味で「このリンゴはうまい」などと言うことができる。これら「上手だ」「おいしい」の二語は、いずれも「うまい」の意味領域に包みこまれている関係にあるといえる。
この種の類語関係は、意味の広い抽象的な和語と、意味の狭い具象的な漢語との間に成り立つものが多い。

  • うで
  • とき時刻・時間
  • ひる日中・昼間
  • かね金属・金銭
  • 樹木・材木
  • くるま自動車・車輪
  • たまボール・弾丸
  • あげるあたえる
  • とるぬすむ・うつす(写)
  • とまる停止する・宿泊する
  • やく焼却する・嫉妬する
  • 小さい細かい
  • まずいへただ
  • うすいあわい
挿絵:一方の語の意味を、他方の語が包み込む類義関係

4両方の語の意味が極めて近い類義関係

意味の区別が一応はあるが、互いに意味がきわめて近い語がある。これらの中には「いわいしじゃりすな」のように系列的ないしは段階的に、意味の差異が認められるものもある。

  • もりはやし
  • つちどろ
  • きりもやかすみ
  • いけぬま
  • いわいしじゃりすな
  • つななわひも
  • ごみくずちりほこり
  • かたなつるぎ
  • いるある
  • わけるわる
  • さむいつめたい
  • うらやましいねたましい
  • まずしいとぼしい
  • 児童生徒学生
  • 貯金預金
挿絵:両方の語の意味が極めて近い類義関係

5複雑な類義関係

単語間の類義関係は前述の四種に分けられるが、実際にはこれらが重なり合いからみ合って複雑な類義関係を構成していることが多い。
たとえば「なく」は人・小鳥・犬・馬・虫などに広く使えるが、小鳥には「さえずる」、犬には「ほえる」、馬には「いななく」という語がある。これら「さえずる」「ほえる」「いななく」はどれも「なく」と複雑な類義関係にある。「かたい」「こわい」「おっかない」「おそろしい」などの関係も、互いに重なり合いながら類義関係を形づくっているといえる。

  • 5の例
複雑な類義関係の例

6特殊な類義関係

類義関係の型としては前述のいずれかに属するが、場面や職業・分野などによって特殊な類義関係を構成するものがある。

  • 雅語
    • かえるかわず
    • あわうたかた
    • 少女おとめ
    • あるくあゆむ
    • あつまるつどう
    • おさないいとけない
  • 敬語
    • あなた貴下・貴殿
    • わたしてまえ・当方
    • いうおっしゃる・もうしあげる
    • もらういただく
    • くれるたまわる・くださる
  • 忌み言葉
    • するめあたりめ
    • なし(梨)ありのみ
    • 閉会おひらき
    • 便所てあらい・洗面所
    • しぬなくなる
  • 語種(和語―漢語ー外来語)
    • てがみ書簡レター
    • およぐ水泳スイミング
    • ゆたか裕福リッチ
    • とき時間タイム
    • にわ庭園ガーデン
  • 専門語
    • 真四角正方形
    • 上肢
    • おたふくかぜ耳下腺炎
    • 児童生徒学生
    • 文章
    • つれあい配偶者
    • 目玉眼鏡
    • かわ河川
    • まい(能で)おどり(歌舞伎で)
    • 忘れ物遺失物
  • 隠語
    • 刑事でか
    • 拳銃はじき
    • 新聞記者ぶんや
    • 麻薬やく
    • 情夫ひも
    • 犯人ほし
    • つかまえるぱくる
  • 卑語
    • かおつら
    • あなたてめえ
    • 言うほざく
    • 死ぬくたばる
    • 盗むかっぱらう
    • 簡単だちょろい
  • 幼児語
    • あしあんよ
    • いぬわんわん
    • おもておんも
    • ごはんまんま

7年齢による類義語の使い分け

類義語は、年齢層の間で使い分けられていることがある。たとえば、「いいなずけ」とか「婚礼」といったことばは、若い人たちは、あまり使わないが、老人層ではまだ生きている(下欄の表参照)。「つりあい」「おくりもの」「機会」といったことばも若い人たちは、それぞれ「バランス」「プレゼント」「チャンス」などの外来語を使うことが多い。逆に「ピンポン」のように老人層に使われるものもある。

  • 言葉の使い分け
言葉の使い分け